中高年層に贈る「定年なんてない!」という新しい生き方の提案
人生の節目、定年を迎えた私たちには、これからの生き方をどのように描いていけばよいのか、誰もが悩むところです。
しかしここで紹介する「あなたの人生に、定年なんてない!」は、一度きりの人生において思い切って一歩を踏み出すためのヒントが詰まった魅力的な書籍です。
この書籍では、定年という労働人生の終着点に立ったとき、私たちが再び新たな旅路に出かけるための道標を示してくれます。
特に注目すべきは、
働きがい、経済的安定、そして豊かな時間、この三つをすべて手に入れるための超・実践マニュアルであるという点です。
この書籍は、中高年5000人のリアルな声を基に、定年後も生き生きと働き続けるための具体的な方法を教示しています。
入山章栄教授の特別インタビューを含む多様な視点から、私たち自身の人生を見つめ直し、さらに豊かにするための知恵を得ることができます。
幸福年収700万円という考え方
著者の都築辰弥氏が着目する「幸福年収700万」という概念は非常に興味深いものです。
一般的に年収が増えるほど生活が豊かになり、幸福度も上がると考えがちですが、
実際には収入が幸福に与える影響には一定のピークがあるということが研究で示されています。
1974年にリチャード・エインリー・イースタリンが示した「イースタリン・パラドックス」は知る人ぞ知る理論ですが、これを進化させたのが、アンドリュー・T・ジェブらの調査です。
東アジアにおいては6万米ドルから7万5000米ドルで幸福感のピークに達するという結果が示され、これを当時の為替レートで日本円に換算すると、おおよそ700万円になります。
この幸福年収700万円が、働き方やライフスタイルにどのように影響するのか、特に人生の後半戦を見据えたとき、どのように生きるのが理想的なのか、本書では具体的な戦略とともに学んでいくことができます。
人生後半を輝かせる働き方戦略
人生の後半における働き方を考える上で、幸福年収700万円を念頭に置くことは非常に重要です。
定年後にいかにして働き続けるか、そのためにはどのような戦略が必要かを具体的に学び取ることができる章が本書には用意されています。
働きがいを失わないためには、自分自身の価値を再評価し、それを活かした仕事を見つけることが重要です。
都築氏は、具体的な働き方戦略を提示することで、人生の後半も輝き続けるための指針を提供してくれます。
たとえば、複数のスキルを掛け合わせて新たな仕事を創出する「複業」や、経験を積んだ後半だからこそ成功する「起業」など、これまでの経験を生かしたキャリアを築くための具体的な方法が示されています。
複業・起業への一歩を踏み出すキャリア自律
45歳を過ぎたあたりから、私たちは新しいキャリアパスを模索することが増えるでしょう。
本書では、
45歳から準備を始め、複業を通じて独立飛躍を目指すキャリア自律の重要性について詳述されています。
特に強調したいのは、じぶんコンテンツを武器に複業の機会を広げるという考え方です。
私たち一人ひとりが持つユニークな経験やスキルは、他の誰も持っていない強力な「じぶんコンテンツ」となり得ます。
このコンテンツを活かすことで、新たな収入源を得るだけでなく、
さらなる自己実現への道を開くことが可能です。
複業を通じて自分自身の可能性を広げ、それを起業につなげることで、収入の多様化に成功した事例が数多く紹介されています。
特に、個々の強みを最大限に活かすための具体的な手法やマーケティング戦略が解説されており、それを参考にすることで、誰でも一歩踏み出せる力を手に入れることができます。
45歳からの転職戦術
転職という選択肢は通常、若い世代の者が持つ利点と考えがちですが、45歳を過ぎた後の転職も決して不可能ではありません。
大切なのは、年齢を重ねるごとに得た経験と知識をいかにして新しい職場で活かすかという視点です。
本書では
45歳からの転職の基本戦術を学ぶことができます。
年齢を重ねることによる利点を理解し、自分の価値をしっかりと見極めて、新しい環境でそれをどのように活用するかという具体的な方法が提示されています。
転職活動での成功事例や、失敗せずにキャリアを構築するためのアドバイス、多種多様なアプローチが示され、それによって自分の選択肢を広げられます。
人生後半を楽しく働き続けるためのマインドセット
本書の終章は、人生の後半を楽しく充実したものにするためのマインドセットに焦点を当てています。
新たな道を選ぶことに対する恐れや不安を乗り越えるために、どのような心構えが必要かを解説しているため、非常に実践的で心強い内容です。
働く意義を見出し、年齢を重ねてもなお成長していく姿勢を持つことが人生を豊かにします。
本書から提供される精神的な指針や暖かいメッセージは、読者が自信を持って新たな挑戦に臨む後押しとなることでしょう。
特に、失敗を恐れずに挑戦する姿勢や、長所を見つけ出しそれを伸ばす方法など、年齢に左右されず人生を謳歌するための知恵が詰まっています。
経営学とキャリアオーナーシップの関係性
本書の特別インタビューである早稲田大学ビジネススクール入山章栄教授へのインタビューは、
経営学とキャリアオーナーシップの関連性に新たな視点をもたらしています。
キャリアオーナーシップの概念は、個々がそのキャリアに対して主導権を持つというものですが、これを経営学の視点でどのように解釈し、実際のキャリアに活かすかが詳細に議論されています。
経営学の知見を通じて、個々のキャリアをどう捉え、どのように発展させていくのかが明確になり、より主体的なキャリア形成が可能となることを示しています。
このブログを通じて、本書が提示する新たな可能性や人生を再定義するきっかけを読み手に提供できれば幸いです。
「あなたの人生に、定年なんてない!」を手に取り、定年後に新たな人生の扉を開くための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
日本経済新聞出版が提供するこの書籍は、人生の後半を自由に、そして豊かに生きるための必読のガイドブックとなることでしょう。